移動平均線はEAを含むMT4におけるFXトレードだけでなく、株トレードや先物トレードでも利用されている非常に有名でポピュラーなテクニカル指標です。移動平均線はその名の通り、過去の一定期間の終値を平均化しグラフに表した指標で、売買のタイミングをはかったり、トレンドの判断に使われます。移動平均線にはいくつか種類があります。
▷単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)
単純移動平均線は、任意の一定期間の終値を平均化した最もシンプルなグラフです。「5日単純移動平均線」といったように呼びます。平均の価格を出してくれるので、任意の期間毎日買い続けるとした場合の平均的なコストが分かります。たとえば、価格が移動平均線を上回っている場合は、平均購入価格よりも現在の価格が上がっているため含み益が発生していると分かります。単純移動平均線は過去の一定期間の平均値であるため、相場が急な値動きをしたときやトレンドが発生したときなどにすぐに反応できないというデメリットがあります。
▷指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)
指数平滑移動平均線は、単純移動平均線よりもより直近のレートに比重をおいており、直近の相場に素早く反応できるのが特徴です。相場への感度は高まるため、トレンドの転換の動きをいち早く掴めます。しかし反応が早いということは、だましに合う可能性も高まるので注意が必要です。
▷平滑移動平均線(SMMA:Smoothed Moving Average)
指数平滑移動平均線より値の動きをなだらかにしたのが平滑移動平均線です。指数平滑移動平均線に比べ直近の値動きに敏感ではないので、だましが少なくなります。しかしトレンドの転換に鈍くなってしまうというデメリットがあります。
▷加重移動平均線(WMA:Weighted Moving Average)
加重移動平均線も直近のレートに比重をおいたものですが、こちらは過去から直近に向かって徐々に比重を重くしています。単純移動平均線のデメリットをカバーしたものではありますが、指数平滑移動平均線と同じくトレンドの転換を早く掴めるメリットがあるもののだましに合いやすいというデメリットがあります。
このようにそれぞれにメリット・デメリットがあり、どれが一番いいと言うのは難しでしょう。どの移動平均線が最適なのかはMT4による裁量トレードやEAの戦略によっても異なってきます。移動平均線をもとにトレードをする場合は、各移動平均線のデメリットを補うために他のテクニカル指標と合わせてさらに精巧な分析を行ってください。
また移動平均線の期間のパラメーター設定によっても、移動平均線の特徴は変わってきます。短期移動平均線は、平均化している価格が少ないために直近の値動きが反映されやすくなります。一方で長期移動平均線は、直近の価格への反応は少ないものの価格の方向性をしっかりと探ることができます。短期の移動平均線は短期のトレンド、長期の移動平均線は長期のトレンドを表しています。期間は取引スタイルによって変えていくのがおすすめです。たとえばスキャルピングといった短い期間でトレードを行う場合は、長期の方向性よりも短期のトレンドの方が大切になってくるので、1分足や5分足などの短期移動平均線が最適です。
移動平均線は多くのEAでも使われているテクニカル指標です。FXを行う上では必須のテクニカル指標とも言えます。すべての移動平均線を使いこなそうとするのではなく、まずは自分のトレード戦略に合った移動平均線や時間足から慣れ親しんでいってください。
MT4でEAを使用するにあたって、移動平均線は、重要な要素になります。MT4EAの無料配布サイトでは、複数のEAを配布していますので、自分に合うEAを選択することが可能です。